プロセス · 2026年9月

レッスン7 · アルコール、時間、暗がり

Lesson 7 · Alcohol, Time and Darkness

プロセス

アコードの小瓶、アルコールの瓶、ホホバの瓶、暗い戸棚。調香講座のレッスン7では、ブレンドをムエットから瓶へ移す。比率どおりに希釈し、暗がりで何週間か寝かせ、冷やして濾す。

ムエットから瓶へ

これまでの六つのレッスンは紙の上で進めてきた。レッスン4のローズとパチョリのアコード、レッスン5のモディファイア、レッスン6の保留剤は、すべて嗅ぐための希釈でムエットの上で判断した。アルコールやオイルに入る前のオイルの最終ブレンドを、調香では香水の濃縮液、あるいはジュと呼ぶ。

原液の濃縮液は、そのまま肌には使わない。前もって割り出した比率で、溶媒や基剤に希釈しなければならない。その比率が、完成した瓶が何になるかを決める。アルコールの香水か、パフュームオイルか、ボディオイルか。

瓶へ移ると、ムエットになかった二つの素材が加わる。一つ目は溶媒、アルコールかキャリアオイルで、それぞれが独自のやり方で香りを運ぶ。二つ目は時間である。混ぜたばかりのブレンドと、数週間寝かせたブレンドは、同じ処方でも二つの違う香りになる。

このレッスンでは各段階を順に進む。基剤を選び、濃度を計算し、上限を確かめ、寝かせ、濾し、ラベルを貼る。どの段階も香りのノートに一行を残し、その行がレッスン8の材料になる。

アルコールか、キャリアオイルか

調香用アルコールは高濃度のエタノールで、ふつうは各国の規則に従って変性されている。ライブラリの用語集によれば、変性剤は香りをできるだけ妨げないものが選ばれる。Blending 101は、オードパルファムを90度のアルコールに15〜20%とする。アルコールは最初の数分で肌を離れ、オイルのブレンドをあとに残す。

キャリアオイルが二つ目の選択肢だ。キャリアオイルは植物由来で、蒸発しない。ライブラリの植物油のページは、ホホバが実はトリグリセリドではなく液体のワックスエステルであり、トコフェロールを多く含むため酸敗しにくいと記す。だからホホバはパフュームオイルのふつうの基剤である。Blending 101は、パフュームオイルをホホバに15〜30%とする。

二つの基剤は、どの処方でも入れ替えられるわけではない。レッスン6では、ベンゾインがキャリアオイルに溶けないことに触れた。ベンゾインを含むアコードはアルコールにはなめらかに入るが、ホホバでは残留物が残ることがある。ほかの濃いレジノイドやアブソリュートも、基剤を選ぶ前に溶解性を試す必要がある。

基剤は香りの現れ方も変える。アルコールでは、アルコールが蒸発するにつれてトップが立ち上がる。オイルでは、軽い部分を運び上げる溶媒が去っていかないので、香りはよりゆっくり開き、肌の近くにとどまる。ひとつのジュ、二つの基剤、二つの違う瓶。両方をムエットに浸して並べてみるとよい。

濃度と皮膚への上限

濃度とは、完成した瓶の中でジュが占める割合である。ライブラリの処方計算機はこんな例を挙げる。20%で50 mlのバッチには、ジュが10 ml、アルコールかキャリアが40 ml入る。オードパルファム15〜20%、エクストレ20〜30%といったなじみのある数字は業界の慣習であって、法的な基準ではない。

肌に広く塗る製品では、希釈ははるかに低い。Blending 101は、ボディローションで1〜3%、顔で0.5〜1%、妊娠中は1%以下とする。同じジュから、香水とボディオイルでは濃度が十倍違いうる。

全体の濃度だけでは足りない。ジュの中のオイルは、それぞれ自身の上限と照らし合わせる必要がある。レッスン4のアコードを例にとる。ダマスクローズはメチルオイゲノールを含むため、ライブラリのデータでは皮膚への最大使用濃度が0.6%である。15%の濃度では、ローズはジュの4%までしか占められない。シリーズの7:3という比率は、瓶に入る途中で書き直さなければならない。

IFRAは製品を12のカテゴリーに分け、それぞれに上限を設けている。カテゴリー4はファインフレグランス、カテゴリー5Aはボディローションだ。メチルオイゲノールについて、ライブラリはIFRA上限をファインフレグランスで0.02%、ボディローションで0.0004%とする。圧搾ベルガモットは、日光に当たる洗い流さない製品で0.4%の上限がある。ベルガプテンを除いたFCFグレードはこれに縛られない。ライブラリの安全性のページが一般的な規則をまとめている。処方計算機は、これらの上限を自ら確かめはしない。

暗がりと、数週間の待ち時間

混ぜたばかりのジュとアルコールのブレンドは、まだ最終的な香りではない。ライブラリの用語集は、そのあとに続く休ませる期間をマセレーションと呼ぶ。ふつうは数日から数週間で、そのあと冷やして濾す。この間に香りは落ち着き、ひとつに編まれていく。Blending 101は、オードパルファムに2〜4週間の熟成を与える。

マセレーションのあいだ、成分は互いに、そして溶媒と作用し続ける。用語集にひとつ例がある。アルデヒドがアルコールと出会うとアセタールができることがあり、それはふつう元のアルデヒドよりやわらかく香る。変化のすべてが目に見えるわけではない。だが3週目のムエットは、たいてい1日目のムエットと違う。

休ませる条件は、ライブラリの保管のページから来る。光、とくに紫外線はフリーラジカルを生み、酸化を早める。紫外線に50分さらしたスイートオレンジ精油には、ピペリトン、フォトシトラールA、そして少なくとも十数種の新しい成分が生じる。熱はほぼすべての反応を早める。水はエステルを加水分解し、酢酸リナリルをリナロールと酢酸に変える。

だから休ませる瓶は、琥珀色かコバルト色の遮光ガラスで、しっかり閉め、涼しく暗い戸棚に置く。瓶の中の空きはできるだけ小さくする。減った液体のあとに酸素が入り込むからだ。週に一度開けてムエットを浸し、日付と描写を書きとめ、すぐに閉める。

冷却濾過と透明さ

マセレーションのあと、アルコールの香水のなかには寒さで白く濁るものがある。原因は、アルコールに溶けにくい物質、つまりワックス、オイルや樹脂の重い画分である。たとえばブルガリアのダマスクローズは、アルカンとアルケンを19〜24.5%含む。オイルにもともとあるワックス状の分子だ。

調香ではこれを冷却と濾過で扱う。熟成した香水を冷やしてワックスや溶けにくい物質を沈殿させ、その沈殿を濾し取る。ライブラリの用語集は、この工程が製品を透明に保ち、寒さでの濁りを防ぐと記す。

家でつくる一本なら、この工程は簡単でよい。瓶を冷蔵庫に入れ、濁りが沈むのを待ち、清潔な濾紙を通して別の遮光瓶に注ぐ。残ったものは捨てる前にムエットで嗅いでおく。残渣が香りを多く帯びているなら、次の版では濁りのもとになる素材を減らすか、別の形のものを使えばよい。

ホホバのパフュームオイルは、同じ形でこの問題に出会うことはまれだ。だがホホバは寒さでとろみを帯びることがある。オイルの場合は、瓶を室温に戻し、残渣が残るかを見て確かめる。温めても残るものは、たいてい溶けていない物質である。オイルの中のベンゾインのように。

手づくりの瓶にラベルを貼る

ラベルのない瓶は、二度とつくれない瓶である。手づくりの瓶のラベルには、少なくとも六行が要る。処方名、混ぜた日、基剤のアルコールかオイル、ジュの濃度、濾した日、そしてオイルとその割合の一覧。一覧が、瓶と香りのノートのページを結びつける。

ラベルは、使用上の注意を書く場所でもある。ジュに妊娠中禁忌のオイル、たとえばレッスン6のミルラが入っているなら、その一行はラベルに書く。圧搾ベルガモットが入っているなら、塗布後は日光を避けるよう書く。ムエット専用の試作なら、ラベルにそう書いておく。

販売する製品では、規則はさらに先へ進む。ライブラリのデータによれば、EUはリナロール、ゲラニオール、シトロネロールなどの香料アレルゲンを、洗い流さない製品で10 ppm、洗い流す製品で100 ppmを超える場合に表示するよう求めている。規則(EU) 2023/1545はこの一覧を広げ、パチョリ油とベルガモット油も含めた。

レッスン7を終えると、最初の一本が棚に立つ。その処方はまだ滴で書かれている。講座の最後となるレッスン8では、その処方をグラムとパーセントで書き直し、素材ごとに上限と照らし合わせ、まさにこの一本の原価を計算する。

アルコールは香りを運び去る。オイルは香りを肌の近くにとどめる。暗がりは香りを静かに置いておく。

香水は二度つくられる。混ぜるときに一度、待つあいだに一度。

待つことは、誰の目にも見えない。