乾燥タイムは料理用のハーブにとどまらない。細かく挽いた乾燥葉は、コールドプロセス石けんのなかで穏やかなスクラブになる。本稿では、チモールと葉の粒子が肌にどう働くかを記録する。
タイムはどう乾かすか
タイム(Thymus vulgaris)は地中海原産、シソ科の多年草である。ベトナムでは、冷涼な温帯気候のダラットとサパで栽培されている。
葉は開花直前、精油含有量がもっとも高まる時期に収穫する。緑色と精油の大半を保つため、日陰で7〜10日間風乾する。熱で乾かすと有効成分が飛んでしまう。
粉の細かさ · 粒子と肌
乾燥葉は石臼か、ハーブ専用のグラインダーで挽く。40メッシュのふるいに通し、約350〜400マイクロメートルの均一な粒子にそろえる。
これがスクラブとして「ちょうどよい」大きさだ。0.1mmの微粉のように細かすぎると、こする力はほとんどない。粗塩のように粗すぎると、敏感な肌を傷つけることがある。350マイクロメートルなら、深い層を傷めずに角質層の古い細胞を落とせる。
タイムの葉は多孔質なので、シャワー中に濡れると粒子がわずかにやわらかくなる。肌あたりはやわらかな摩擦で、鋭さはない。
チモール · 細菌に対する天然の作用
チモールはタイムの主要なフェノールで、精油の30〜45%を占め、乾燥葉のなかにも微細な結晶として残る。
チモールはグラム陽性菌、とくに Staphylococcus と Streptococcus に対して増殖を抑える作用を示す。研究では、S. aureus に対するチモールの MIC(最小発育阻止濃度)は 0.5〜2 mg/mL である。
洗うときにタイムパウダーが肌に触れると、チモールの一部が水と石けんに溶け出し、細菌に対する穏やかな作用をもたらす。薬の代わりにはならないが、肌を清潔に保つ助けになる。
コールドプロセスでの配合比
標準の比率はオイル総重量の2〜3%。たとえばオイル1000gに対し、乾燥タイムパウダーは20〜30gを使う。
パウダーはライトトレースの段階で石けん生地に加える。混ぜるのは30秒。それより長いとダマになり、短いと偏る。
3%を超えるとダマになりやすく、タイムの粒が目立つ。2%を下回ると、スクラブ感はほとんど感じられない。
タイムパウダーは苛性ソーダと鹸化のなかでも形を保ち、溶けない。タンパク質やでんぷんの多い植物パウダーが溶けて石けんを変色させるのとは異なる。
肌の感触
洗うとき、タイムパウダーは泡のなかに散らばり、肌を軽くこする。感触はやわらかな摩擦で、鋭くも温かくもない。
肌は触れるとより清潔に、なめらかに感じられる。スクラブの手ごたえがいちばんわかるのは、古い角質が厚くなりやすいひじ、かかと、ひざだ。
砂糖、塩、アプリコットの種といった硬い粒子のスクラブとは違い、タイムパウダーはよりやさしく、全身に毎日使える。
一枚の葉。ひとつまみの粉。ひとつのスクラブ。
乾燥タイムは、Lê Mai が石けんに使うずっと前から台所の戸棚にあった。今もハーブであることに変わりはない。ただ、ここでは役割が変わる。